尼崎医療生協病院 看護部

−新卒看護師1年目研修−

〜時間切迫・多重課題演習について〜

看護教育委員会看護師:野 未紀子

 現在、新人看護師の基礎教育終了時点の能力と看護現場で求められる能力との乖離が大きいことが問題となっており、新卒看護師の就職先決定理由の上位には施設の教育体制の充実があがっています。
 また、実習と看護現場の違いとして、実習では1人の患者に対して関わっていたのに対し、現場では複数の患者に看護をおこなわなければいけないことも新人にとって大きな課題となっています。
 この様な現状で、当院でも新人研修の内容を見直していたところ“時間切迫多重課題演習”を知り、2007年よりとりいれました。

 新卒看護師は、入職後6ヶ月ごろには一人で複数の患者を担当したり、夜勤がスタートしはじめる時期です。限られた時間内に複数の患者さまのケアを行うことが必要になり、ほぼ同時に援助を求められることもあるので、自分で優先順位を決めたり、応援の必要性を自分で判断できることが求められます。

 “時間切迫多重課題演習”は外来の処置室を病室に見立てて、その病室内に新人看護師が一人づつ入り複数の患者役がそれぞれに症状を訴えたり、援助を求めることに対応します。演習時間が決められており、時間内での対応について、優先順位の選択、看護技術の安全面、接遇などのチェック項目にそって観察者がチェックします。そして、演習後に新人看護師自身の気づきができるよう振り返りを行います。

 導入当初は、他院での実施方法にしたがって行っていましたが、3回目までに患者設定、演習方法、振り返り方法など当院なりの工夫をおこないました。今年度は演習をビデオ撮影し、演習後ビデオをみながら振り返りをおこない、自分の改善点をみつけるだけでなく、他者の良い部分を指摘しあうことで、試験のような重い印象もやわらぎました。また、この企画検討をおこなうことで、研修企画者にとってもより新人を知ることができ、職場全体で新人を支えるという動きにもつながりました。

時間切迫多重課題演習をおこなったことで以下の効果がありました。

  • 新人看護師が振り返りをおこない、自分の到達状況を知る機会をつくれた
  • 新人同士、お互いの援助をみることで成長を確認しあうことができた
  • 研修企画者が新人看護師の弱み、強みを間近で知る機会となり、新人との距離が近くなった
  • 研修企画者自身があらためて患者の気持ちを知る機会となった

【お問い合わせ】
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 TEL:06-6436-1701(代) FAX:06-6436-1750(看護部)